装置の安全・保安上不可欠なアースライン。通常は「低インピーダンス」になるよう、より太いケーブルでしっかりと接続されています。ところが、アースラインの規格は、「A種:DC抵抗値10Ω以下 D種:DC抵抗値100Ω以下」と、DC抵抗値の規定しか定められておらず、高周波インピーダンスについては規定がありません。

例えば半導体工場等の場合、一般的にアース線はケーブルラック内を動力線と一緒に長い距離にわたって配線されていますが、仮に床面から高さ2mのケーブルラックでアースラインの長さを100mとした場合、そのインピーダンスは10kHzで14.4Ω、100kHzで106.4Ω、500kHzで862Ωと、高周波では非常に高い数値になります。

このことからも、アースラインは(大地間やケーブル間の)電磁誘導電流が伝わりやすく、これがノイズを生み出しているのです。
このように装置に深刻なトラブルを起こしかねないアースライン・ノイズですが、アース本来の「安全・保安」上の機能が第一優先されるため、一般のノイズフィルター(インダクター等)で対応することはできません。そのため、電源ライン周りの「ノイズ対策の強化」と「ケーブルの引廻し経路の変更」などでしのいだり、アース線を外すといった、究極の方法をとる場合もあるのが現状です。

アースライン・ノイズによるトラブルには、次のような特長が見られます。
恒常的なトラブルではなく、突発的であることが多い。
再現性があまりなく、トラブルの発生頻度も一定ではない(条件によるが数日〜数ヶ月に一度)。
トラブルの発生場所はノイズ発生機器周辺のみではない。アースライン経由で、
同じ建屋内の遠く離れた場所でもトラブルが発生することがある。
ノイズ環境の違いから、メーカーサイドでトラブルがほとんど起こらなくても、
客先に納入した途端に起こる事が多い。